胡桃沢千晶、藤原裕策 旧小野瀬邸現代美術展
平成15年12月14日
胡桃沢千晶、藤原裕策 旧小野瀬邸現代美術展
胡桃沢千晶のインスタレーション(空間芸術)眺めるとき、
彼女の言葉に耳を傾けてみたい。
「展示する場所というものは、いつも大切な意味を持っている」
その場所が持つ力(spirit)を重視することが
彼女の作品の核となっているのである。
その場所に静かに介入し、空間を作品とする。
彼女自身に特有の叙情的で、詩情あふれるアートである。
Anitak Sandor (ルーマニア・アートマガジン エディター)
胡桃沢千晶の空間芸術
年の瀬の12月14日、当市民の会が主催する今年度最後のイベント、「旧小野瀬邸現代美術展」を開催いたしました。今回参加していただいたアーティストは、胡桃沢千晶さんと藤沢裕策さんで、両氏とも海外での活動が多く、国内では千葉県を拠点に幅広く活動されています。胡桃沢さんは、水の玉を使ったインスタレーションを得意とし、空間に浮いた水の玉が、見るものを時間が止まった空間、幻想の世界へと誘います。一方、藤原さんは木版画や壁画、ライブペインティングなど多様な作品を発表されています。先月の「いがっぺ市」では、旧小野瀬邸壁面に見事なライブペインティングを披露していただきました。
今回、一日だけの現代アート展は、170名の方にご来場いただき、大盛況となりました。旧小野瀬邸という古い空間と融合した、見事なお二人の作品は、私達を「現代アート」の魅力に、不思議な力で、いざなってくれるものでした。 店舗の天井から下げられた、和紙の円が風に揺れると、それに誘われるように小学生たちが会場に入ってきたり、しゃがみこんで、水のボールの部屋に見入っている方々がいらしたり・・・終日、旧小野瀬邸とお二人の作品のハーモニーを楽しむ声が響きました。 意欲的に取り組んで下さったお二人に、オーナーの菅井さんに、ご来場下さった皆様に、感謝します。 |
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旧小野瀬邸 | たくさんのお客様で賑わう旧小野瀬邸 店舗空間も芸術に(藤原裕策) |
龍ヶ崎コロッケでお馴染みのまいんバザール会場には、好天に恵まれたこともあって、市内近郊からたくさんの方が集まりました。 私たちは、その会場で「現代美術展」のチラシを配ったところ、「ああ、知ってるよ小野瀬邸ね」あるいは「そうそう、これ見たかったの現代アート展ね」と、反響の大きさを改めて思い知らされました。PR活動が功を奏してか、まいんバザールからも、たくさんの方が旧小野瀬邸に足を運んでいただきました。 |
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胡桃沢千晶、インスタレーション | |
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旧小野瀬邸の中でも、もっとも古い建造物と言われている奥座敷の三部屋(続き間)に、約600個のウォーターボールが浮きました。ある人はまるで海底のようだと言い、またある人は宇宙空間のようだと言いました。この不思議な空間。胡桃沢さんが奏でるインスタレーションは、慌ただしく時間に追われて生活をしている私たちに、静かに、静かに、時間が止まった、癒しの空間を与えてくれました。 |
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藍染を連想する水彩画(藤原裕策) ローソクの炎が幻想的な空間を広げました |
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日常的な生活の場もアートに (藤原裕策) |

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ガラス戸、襖、障子と言った展示する材質や畳部屋、板の間、廊下などの空間によって、がらりと趣が変わる木版画の数々。 |
AM12:00 PM1:00
PM2:00 PM3:00
和紙に朱色で筆塗りした下地に木版を押した作品(藤原裕策) | |
背後からの陽に照らされて、朱色の輝きが強くなったり弱くなったり、時間と共に色合いが微妙に変化しました。 季節や時間や空間環境まで作品と一体になってしまう現代アートの素晴らしさを、身近なアートとして楽しむことが出来ました。 |
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生活の中の身近な物を、感じたままに絵具として使う藤原さん。 左は粘土のレリーフに仕上げは唐辛子を。右は同じく落花生の殻を使った作品です。 |
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水のボールが時が止まったような印象で・・・すてきです。
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窓からさしこむ光が水玉にふれる ゆらめきが時を止めステキ!! |
会場に入った時から驚らかされた 始めに水玉はびっくりし 絵にびっくり 台所の隅の石にびっくり 何だかわからないが面白い |
なんというか、がんばらないで、自然体で、がいいですね。 ぼくもなんだか新たな制作意欲がわいてきました。 ありがとう。 会場の空気、いいですね。またおじゃまします。 |
木造建築と12月の夕日と水玉ボールが感動!!
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板に描かれた線と色彩がとても印象に残りました。
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天井から下がっているうちわのようなものが、風に揺れる度、ふわふわと、とても優しさが伝わって良かったです。きっと優しい方なのですネ! |