深谷視察報告
ホームを降りると必然的に見てしまう深谷駅舎は素敵なレンガ造りで「関東の駅百選」に選定されているそうです。NPO龍ケ崎建物保存会メンバー6名と案内役るみちゃんは駅からレンタカーで移動。まず、旧中山道沿いの、まもなく解体される塚本商店赤レンガ造りの家屋を見学。しっかりと目におさめました。そして、行政主導でまちづくりが行われている七ツ梅酒造跡地には、深谷シネマ、カフェ、食堂、占い店、古本屋などがあり、深谷魅力発信のワクワクする一角となっています。
市街地を見学後は老舗煮ぼうとうで昼食。そして隣接の渋沢栄一生誕地(旧渋沢邸)を見学しました。煮ぼうとうは深谷の郷土料理で、幅の広い生麺を生の状態から煮込んだ麵料理。スープはけんちん汁のような味。意外とボリュームがありとても美味しかった。お店の中には渋沢栄一直筆の書が飾ってありました。その隣というか同じ敷地内?に旧渋沢邸があり敷地内を見学。残念ながら主屋は修復中で見学できませんでした。修復完成は来年の3月までかかるとのこと。旧渋沢邸は渋沢栄一の生誕地に明治28年、妹夫婦によって建てられた養蚕を兼ね備えた建造物です。栄一が帰郷した際に滞在し、寝泊まりしたといわれています。
旧上敷免村に渋沢栄一らが設立した日本煉瓦製造跡地を見学。東京駅舎や竹内農場西洋館のレンガはここで造られました。日本煉瓦製造で造られる煉瓦は上敷免製といわれ当時の日本最高級ブランドでした。跡地には旧事務所(煉瓦資料館)、ホフマン輪窯六号窯、旧変電所、備前渠鉄橋と4件の重要文化財があります。私たち一行が煉瓦資料館に到着すると、深谷市教育委員会の幾島さんがお待ちになっておられました。NPOを代表して私が挨拶と、これまでのお礼を申し上げました。幾島さんには竹内農場西洋館フォーラムの講演や冊子制作でずいぶんお世話になった方です。そして、ボランティアガイドの方と共に館内を案内していただきました。館内には貴重な資料や当時の煉瓦製造を再現したジオラマが展示してありました。ホフマン輪窯は全国で4基しか残っていない大変貴重なものですが、現在修復工事中で、高く聳えている煙突だけは眺めることが出来ました。広大な敷地をぐるりと半周し、備前渠鉄橋を見学に行きました。煉瓦工場と深谷駅間を結ぶ日本最初の専用鉄道線が引かれ、農業用水路(県内最古)に架かる橋が備前渠鉄橋です。なお、専用鉄道線跡はサイクリングロードとして活用されています。
誠之堂・清風亭を見学、そして道の駅おかべで買い物誠之堂は大正5年、渋沢栄一の喜寿を記念して第一銀行(現みずほ銀行)行員の出資によって建設されました。清風亭は大正15年、第一銀行頭取であった佐々木勇之助の古希を記念して誠之堂と同じく行員の出資によるものです。いずれも、平成11年、清水建設の協力を得て東京世田谷区から深谷市に移築された歴史的建造物です。誠之堂は平成15年国・重要文化財に、清風亭は平成16年県指定文化財とまりました。2棟は深谷市の公共施設内に並んで建っています。